研究
RESEARCH
臨床研究
01.
歯科診療時の非接触型呼吸・心拍モニタリングに関する研究
歯科診療中には、治療への不安や刺激により、循環・呼吸機能に影響を及ぼすことがあります。このような異常を早期に検出するには、異常発生からの継続的なモニタリングが重要です。そこで、患者が診療台に座るだけで自動的に循環や呼吸の状態を把握できるよう、有線コードなどを用いない非接触型のモニタリングシステムの開発を目指しています。
02.
AI音響解析システムの開発
音響センサと独自開発のAI音響解析アルゴリズムを組み合わせ、呼吸音をリアルタイムに解析して誤嚥や気道閉塞を早期検知するシステムを開発しています。歯科麻酔科での鎮静管理では非挿管での鎮静管理症例が多く、気道閉塞や誤嚥リスクを経験する機会が少なくありません。本システムは、歯科鎮静中の安全性向上に有用であるだけでなく、周術期全般における誤嚥性肺炎予防への応用も期待されています。
03.
レミマゾラムを用いた安全な静脈内鎮静法の確立
外来歯科処置時の鎮静では、呼吸抑制や循環抑制作用がなく、かつ適切な鎮静深度を保つことができる調節性の良い麻酔薬が必要であり、そのための薬剤や麻酔法の確立が必要であります。しかし、現段階では十分なエビデンスに基づいた標準的な手法は確立されていないのが現状です。我々は、適切な鎮静深度を維持しつつ、呼吸・循環抑制作用が少なく、調節性に優れ、早期回復が可能な、より高いエビデンスレベルに基づく外来での歯科処置における新規鎮静法の確立を目指しています。
04.
舌痛症の病態に関する研究
舌痛症の病態解明を目的に、患者の認知行動特性と生体機能の関連を探る研究を行っています。具体的には、口腔機能や注意機能、身体内受容感度の調査を行っています。近年は、脳画像解析を加え、痛みの情動的側面と脳機能の関連にも着目しています。こうした多面的なアプローチにより、舌痛症の病態を神経生理学・心理学的に包括的に理解し、新たな診断指標や治療法の開発につなげることを目指しています。
基礎研究
01.
肥満病態下における口腔感染症の認知機能障害増悪化機構の解明
認知症は世界で最も患者数の多い神経疾患でありながら、有効な予防法や治療法は確立されていません。近年、認知症の発症には脳内炎症が重要な役割を担うことが明らかになっており、そこで我々は、ともに全身性に慢性炎症を引き起こす肥満と歯周病という後天的なリスクファクターの相互作用に注目しました。本研究では、独自に開発した肥満-歯周病相互作用モデルマウスを用いて、肥満病態下での歯周感染が認知機能障害を引き起こすメカニズムを神経科学的観点から解明することを目指しています。
02.
膜融合に関与するSNAREタンパク質の機能解析
口腔癌は、罹患率・死亡率ともに年々増加傾向にあり、治療後のQOL低下も深刻な課題となっています。近年、膜融合に関与するSNAREタンパク質Syntaxin3が食道癌などで腫瘍の悪性形質に関与することが報告されており、本研究ではその知見をもとに、口腔扁平上皮癌におけるSyntaxin3の機能的意義を探索し、将来的なバイオマーカーの可能性を検討しています。さらに、SNAREタンパク質の研究を通じて、慢性疼痛の新たな治療標的としての応用も視野に入れています。
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